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ばっとえんど ~出会い~

蓮双は海を連れて大きな屋敷の長すぎる廊下を歩いていた。

奥の部屋には蓮蒔(れんじ)という男がいる。

そいつに会いに行くのだ。


海は「蓮双に潜入せよ」と命令を受けていたが、潜入以外にも海には目的があった。

それは「蓮蒔を殺す」という目的だった。

もちろん独断で重要人物を殺してしまうのは許されないだろう。

だからといって、殺してもいいかと聞けば駄目だと言われるのは目に見えている。

蓮蒔は人望が厚い。

そんな彼を殺してしまえば国は大混乱してしまうだろう。

あくまで長老は隠密に蓮双家を調査しろといっているのだ。

殺して良い訳が無い。


それでも海は蓮蒔を殺したい。

国がどうなろうとも関係ない。

アイツが死ねば全てが終わる。

_____________________________________________________________

蓮蒔には弟がいた。

そいつは白百合という、かなり女らしい名前だった。

男のくせにあまりにもかわいすぎる顔立ちはみんなの目を引いた。

だが、かわいすぎる顔立ちのせいで彼には「本当に蓮双家の血を引くものなのか」と疑いをかけられてしまっていた。

このままでは蓮双には愛人がいたのでは?という疑いをかけられてしまうと恐れた蓮双家は白百合を田舎の方まで移動させた。

念のため白百合には女装をさせ、か弱い少女を演じさせた。


海と白百合の出会いはここから始まる。

まだ忍の修行始めて間もない頃の海はよく里から抜け出して遊んでいた。

勝手に秘密基地としているそこそこ大きな家に遊びに行ったときのこと。

ドアを開けて海は中に入る。

一番南側にある部屋は程よく日が当たり、風通しもよく海のお気に入りだ。

その部屋に入った瞬間海は硬直してしまった。

そこには自分と同じくらいの美しい女の子が静かに外を眺めていたのだから。


一目で海は恋をした。


「な・・・何してんだよ」

「だれ?」

「俺は海だ。お前は?」

「私は白百合。ここに住んでいるの。」

「こんなところに住んでいるのか!?」

「うん。ここは白百合の家。海は何をしに来たの?」


海は「遊びに来た」という正直な答えを口にしたのだが、白百合は異常に喜んでいる。

どうやら「白百合と遊ぶ」という認識をされてしまったようだ。

「家に遊びに来た」と訂正しようにもあんなに嬉しそうな白百合を見ていると真実はいえなかった。

結局、暇を持て余していた海は白百合と遊ぶことにした。

女遊びなんてやるもんか、と思っていた海だが白百合は見た目に反してかなり運動神経が良い。

修行で鍛えている海には劣るものの、海と対等に走ったり出来るのは驚いた。


仲良くなった二人は毎日のように遊んでいた。

しかし、何故か家の敷地内から白百合は出ようとしない。

海が思い切って聞いてみると白百合はここに来た訳を話した。


その話を聞いて怒りを覚えた。

いてもたってもいられなくなった海は宣言する。

「俺が立派な忍になったら、白百合を迎えに来る!それまで待ってろ!」

そう言って海は里に帰っていった。

「行かないで・・・置いてかないで。また一人になっちゃう・・・」

白百合がつぶやいていたが海は気がつかない。


海は知らない。

白百合が男だということを。

兄がいることを。

その兄が蓮双という家の跡継ぎだということを。

白百合の家に迎えに来ても、そこに白百合はいないということを。

そのときには白百合という少女は存在していないということを・・・・・・。

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